【現地生活者が解説!】レトロ電車と陶器の町ー中国雲南省・建水とは?

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どーも!itoです。

中国人妻のルナとともに中国雲南省で暮らしています。

今回は「レトロ電車と陶器の町ー中国雲南省・建水」についてお伝えしていきたいと思います。

観光地として中国では名高い雲南省ですが、その中で建水は玄人好みの観光地といえるかもしれません。いろいろなところに旅行に行ったことがある人が、最後に行きつくのが建水で「一番好きな場所」という評価を聞いたりすることもある場所です。

ずっと気になっていたのですが、なかなか行けずにいたんですが今回ついに行くことができましたので解説していきます!

正直、すべての旅行ファンの方に全力でおすすめしたい場所なのですが、

特に。。

  • 旅行は大都市よりも静かなところに行きたいという方
  • 異なるカルチャーに接してみたい方
  • 陶器や骨董が好きな方

このような方にとっては建水は超絶おすすめのスポットなので、是非参考にしていただきたいと思います。

レトロ電車と陶器の町ー中国雲南省・建水とは?

雲南省の南部、すぐ下にベトナムと接している中国の最辺境地域に位置しています。

省都の昆明から直線距離で200キロ程のところにあり、正式名称は雲南省紅河ハニ族イ族自治州建水県といいます。

  • 名称:雲南省紅河ハニ族イ族自治州建水県
    (中国語表記:云南省红河哈尼族彝族自治州建水县)
  • 人口:53万人(2020年)
  • 面積:3782㎢
  • 海抜:約1300M(中心部)

ハニ族イ族自治州とあるように少数民族が多い地域で、少数民族の人口は約 33% を占めます。

先ほども少しお伝えしましたが、観光地の多い雲南省の中で建水は玄人好みの観光地となっています。

年間の旅行者数は麗江の約4分の1で、麗江のような中国少数民族の古い町が好きな方が「次はもっとマニアックなところに行ってみよう」という時に建水はベストな選択肢となります。

また、中国近代の発展とも深い関係のある街なので歴史の移り変わりを直に感じられる場所でもあります。

建水の魅力とは?

おすすめのポイントは3つ。

  • 古代と近代の歴史価値の高い町
  • 中国4大陶器の産地
  • 温暖な気候で町も綺麗に整備されている

古代と近代の歴史価値の高い町

建水は1,200年以上の歴史がある街で、このエリアには10の全国重点文化財あり、中国の歴史文化都市、国家総合観光模範区、国家重点景勝地にも指定されています。

1200年前といえば、中国では唐の時代です。。

唐の時代、身分に関係なく優秀な人材を集めて政治をしようということで「科挙」という制度が始まりましたよね。

当時建水には「雲南提督学術政治試験局」というものが設置されており科挙受験者はここで予備試験を受けてから、省試験、本試験(高等試験)へと進んでいきました。

つまり雲南省南部の中心、それが建水ということです!

中国4大陶器の産地

雲南省は陶器の町として有名で、中国4大陶器の一角をなしています。ちなみに4大陶器はこちら。

  • 江蘇省宜興紫砂陶
  • 雲南省建水紫陶
  • 広西省欽州坭興陶
  • 重慶栄昌安富陶

現在でも建水市に登録されている紫陶磁器企業は300社ほど、3000人の職人が働いています。

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建水のいたるところに陶器を売っているお店を見かけるよ!

建水の陶器は硬くて丈夫で、表面は金属の質感があり叩くと「キーン」という金属をたたいているかのような音がします。これは原料となる粘土に鉄分が多く含まれているためです。

日本でも「南部鉄器」のような鉄製のポッドでお湯を沸かすと、沸騰したお湯はわずかに鉄の香りがし、少し口当たりが甘くなりますが、建水の陶器で沸かしたお湯も同じような感じになります。

粘土に含まれる鉄分は磁性をもっており水を磁化して軟化させることができます。医学における磁化水は、さまざまな細菌やウイルスを殺すだけでなく、さまざまな病気を治療することにも効果的と言われており、胆のう、膀胱、腎臓、その他の結石や、胃の問題、風邪などの治療に効果的です。また建水の陶器に入れた水は腐りにくいです。

他の地域の陶器製品との最大の違いは建水の陶器は「釉薬を使わない」というところで、表面を研磨することで光沢を出していきます。

良い作品には7~8の工程を経る必要があるというということですから驚きです!!

一般的な建水紫陶の研磨工程

粗い砥石で削る

細かい砥石で削る

粗い砂石で削る

細かい砂石で磨く

小石で磨き上げる

3,500年以上前の陶器が発見されており、なんと新石器時代から建水では陶器作りが行われていたことが分かっています

温暖な気候で町も綺麗に整備されている

先ほども少し触れましたが、建水は昆明から南に直線距離で200㎞ほどの所に位置しており、市の中心部の標高が約1300Mとなっています。

昆明が標高1800Mなので、標高にして500M低くなり、そのため昆明に比べ気温が3℃ほど暖かいです。

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この程度の標高だと高山病にもならないので安心だよ!

昆明は「春城=一年中春のような気候」ということで名高いですが、冬などけっこう冷え込むこともあるので、実際には建水のほうが過ごしやすいと言われています。

観光都市でもあるので、街も綺麗に整備されており、中国の小さな町にありがちな不潔な感じや雑多な感じがしません。バックパッカーのようなガチの人でなくても、家族や友人で全く不快感を感じることなく旅行できる街だと思います。

参考:【高山病対策】雲南省秘境旅ー頭痛にならないためにすべき3つのこと

スポット

魅力がコンパクトに詰まった建水のおすすめの10か所をご紹介します。

建水主要スポット位置関係↓

建水古城

建水の中心部にる古城(街)。

建水の中心部というとこの「建水古城」を指します。

古くは西暦810年頃に南昭という少数民族の国がこの地に街を作ったのが始まりとされていて、50以上の古代建築物が今も残っています。

古城の中は歴史的建造物の外にも商店や食事処、お土産屋さんがたくさんあります。

次に紹介する朝陽楼、朱家花園、建水文廟はすべてこの古城エリア内に位置しています。

朝陽楼

明の洪武二十二年(1389年)に建てられ、600年以上の歴史を持っています。全国重点文化財にしていされています。

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北京の天安門は1417 年に建てられたそうだよ。建水のほうが先にあったというから驚き!

建物の中央に清代の書道家屠日卓が書いた「雄真東南」という巨大な額が掲げられています。「雄真東南」というのは雲南省の南東にそびえ立つ、比類のない強力な町という意味です。

朱家花園

朝陽楼からほど遠くないところにある、清朝末期の地主朱偉清兄弟が建てた家兼祖霊殿です。建物の中の彫刻や絵画など、漢族と少数民族の文化が融合した風格が特徴です。

チケット:35元

建水文廟

元朝22年(1285年)に建てられ、700年以上の歴史を持っています。現存する規模、建築レベル、保存状態は曲伏孔子廟、北京孔子廟に次いで中国第3位です。

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写真の奥にかすかに見えるのが孔子の像だよ!

40回以上の増築を経て現在の敷地面積はなんと東京ドーム10個分!

文廟とは?

中国、春秋時代の思想家、儒教の創始者である孔子を祀っている霊廟(霊を祀る建物)で、儒教の広がりとともにアジア各地に作られ、日本でも東京の湯島聖堂や長崎孔子廟が有名です。

チケット:35元

建水古城ミニ電車

建水の町の成り立ちが古い歴史だとしたら、中国の近代史と関りが深いのがこの電車です。

1900年代初め、ベトナムをフランスが統治していた時代、フランスは現在の雲南省の資源(錫)にも手を伸ばし、雲南ーベトナム鉄道というものを作りました。

それではまずい!国内に自分たちで資源を輸送するルートを作ろうということで、中国人技術者たちが自分たちで作った鉄道で、中国初の私鉄です。現在は輸送用には使われていませんが、当時の鉄道の一部分を観光鉄道化して開放しています。

列車は建水古城の少し北の臨安駅から出発し、双龍橋駅、香会橋駅を通過し、最後に団山駅に到着します。総行程は約13km。毎日2便あり、それぞれ午前9時と午後2時30分に出発し、双龍橋駅と香会橋駅にそれぞれ30分、団山駅に2時間停車します。

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時速20キロほどでゆーーっくりと走るので、ゆったりとした時間を楽しみたいという方には超おすすめです!

チケット代:往復100元

双龍橋

明の嘉靖年間(1522年—1566年)に建設された長さ148Mの石で作られた橋です。真ん中に二つの塔があるのと、17のアーチがあるのがとても印象的で建水のランドマークとして非常に有名です。

双龍橋の「双龍」というのは2匹の龍のことで、廬江と塔中江がここで合流し、二つの川がまるで二匹の龍のように蛇行していることからこの名前が付けられました。

双龍橋の対岸にはミニ電車の軌道があり写真映えしますし、無料で見学できるので超お勧めです!

民居団山

建水ミニ電車の終点、団山駅近くにある中国古民家群です。

こちらは建水古城より歴史は浅く、もともとは江西から雲南に来て団山に定住するようになった貿易商が作った村が始まりですが、とくに清朝の光緒時代(1871年—1908年)、村の人々が故郷を離れ鉱山でお金を稼いだ後、故郷に戻って先祖と家族を讃える邸宅を建てるようになり発展しました。

建物にはあまり修繕が加えられておらず、清代の当時の建築様式を保っています。建水中心部の古城は商業施設が多いので、本当に古い町並みだけ見たいという人にはお勧めです。

35元

建水の評判は?実際に行ってみた感想と楽しみ方

建水の評判・口コミ

中国大手の旅行会社Trip.comをつかって建水の評判を調べてみました。

建水の口コミには「商業化されていない本格的な古代の町」や「車窓の風景が絵画のように綺麗だった」といった良い口コミがある一方で、「電車に乗っている時間が長すぎて子ども連れにはきつかった」のような悪い口コミも見られました。

  • フレンドリーで親切な人がたくさんいる素敵な場所
  • 食べ物やお土産を販売する多くのショップがたくさんあり、すべてリーズナブルな価格
  • 商業化されていない本格的な古代の町
  • 歴史的建造物の保存状態がよくて良かった
  • 車窓の風景が絵画のように綺麗だった
  • 商業化されていて興ざめしてしまった
  • 電車に乗っている時間が長すぎて子ども連れにはきつかった
  • タクシー運転手のマナーが悪かった

実際に行ってみた感想と楽しみ方

実際に行って感じたのは3点。

  • 食べ物、お土産などの価格がリーズナブル
  • 歴史的建造物の保存状態がよくて良かった
  • 本当に古い町並みだけ見たいという人には建水古城だけでは物足りないかも

食べ物、お土産などの価格がリーズナブルというのはとても良心的に感じました。

例えば、先ほど紹介した建水の陶器ですが、おちょこなどの小物であれば10元以下で購入可能です。

私はおちょこを2個購入しました。

もちろん、手の込んだ装飾をした急須などは数百元するものもありますが、気分だけ味わえればいいという旅行者にとっては非常に良心的だと感じました。

その一方で、

本当に古い町並みだけ見たいという人には建水古城だけでは物足りないかもとは思いました。もちろん、麗江や大理のようにガチで商業化されており、お土産なども高額なところに比べれば、かなり控えめで個人的にはすごく好感が持てるのですが、全く商業化されていないわけではなかったです。

商業化されていない古い町並みだけ見たいという人には「民居団山」に行ってみることをお勧めします。

建水のグルメ

建水のグルメとして押さえておきたいのは3つ。

  • 建水豆腐
  • 草芽米線

1.建水豆腐

正直、一番おすすめなのがこれ。

雲南省でも建水の豆腐は有名で、各地に輸出されていますが、建水では新鮮なものを食べることが出来ます。

古城の西門のすぐ外に「大板井」という古くから使われている井戸があるのですが、その井戸のすぐ前に豆腐を作っているお店があり、イートインできます。

豆乳、豆花(絹豆腐をさらに柔らかくしたようなもの)、木綿の三種が5元で食べ放題となっています。

個人的に豆腐が好きなのですが、建水の豆腐は本当においしいと思いました。

中国の豆腐は焦げ臭くてまずいものが多いんですが、建水の豆腐は豆自体の味がしっかりと感じられ自然な甘みもありました。おそらくですが、使っている水がいいんだと思います。

2.草芽(ツァオヤー)米線

これも癖の少なく食べやすい味わいでおすすめです!

雲南ではよく米線を食べるんですが、建水の米線には草芽(ツァオヤー)が入っています。草芽というのは湿地に生える葦のような植物で、アスパラガスのようなシャキシャキとした触感があります。

スープは優しい塩味で下には薄切りの豚肉、上には揚げ玉のようなものと芽がのっています。

にしても。。で、でかい!!

量、やばい。。
((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタ

普通サイズの2倍くらいの量はあると思います。しかも、足りなければ無料で追加可能。

この量で、10元。観光地って食事も高いところが多いですが、建水はリーズナブルです。

建水への行き方

付近に空港などはないため、昆明から電車が便利です。

ここから昆明から建水への電車チケット購入できます↓↓
参考:Trip.com

建水―いつかはここに定住してもいいかもと思える街

個人的にはめちゃくちゃ好きな街で、生活するとしたら一番いいところなのではないかと感じています。

理由は、

  • 気候がよく
  • 歴史があり古い町並みが見られ
  • それでいて観光客も多く、外からの刺激もある街

確かによさげな所だけど。。

「なかなか重い腰が上がらないなぁ」って思いますか?

昆明からは電車一本で乗り換えの必要もなく2時間弱で着きますし、市内もコンパクトに観光できるので体力的にもかなり楽に旅行できますよ!

また、先ほども少しおつたえしたように、建水古城も商業化されています。今後さらに開発されて、食事やお土産なども高額になっていくと、他の古城と同じような感じになってしまい面白味を感じないという人も増えていくと思います。

もし建水に興味があれば、早めに旅行に行かれることを強くお勧めします!

まとめ

今回は「レトロ電車と陶器の町ー中国雲南省・建水」ということで紹介しました。

ポイントは3つ。

  • 古代と近代の歴史価値の高い町
  • 中国4大陶器の産地で陶器や骨董が好きな方にはたまらない
  • 昆明から比較的アクセスしやすいうえに気候もよく、リーズナブルに旅行ができる

さらに詳しく知りたいという方には私が直接、分かる範囲でお伝えします!

このブログの「お問い合わせ」もしくはインスタグラム経由で連絡していただければ、返信させていただきます。

是非、建水に行ってレトロ電車と陶器を楽しんでみてください!!

中国旅行では圧倒的にTrip.comが便利です。僕もいつも使っています!
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中国滞在時のホテル利用に関してはこちらも参考にしてみてください↓↓

参考:【中国旅行】ホテルの選び方。失敗しないための3つのポイント【現地生活者が解説】

建水についてのQ&A

1.建水の気候はどうですか?

季節や地形の変化の影響を受け、夏は暑くて雨が多く、冬は温暖で乾燥しています。年平均気温は19.8℃です。

2.建水で外国人でも宿泊可能な施設

他の宿泊施設については、こちらの旅行サイトからも調べられます。

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